カイ二乗分布を用いた母分散の95%信頼区間の算出
問題文
ある精密機械メーカーで製造される金属ピンの直径のばらつきを管理するため、正規分布に従う母集団から n = 16 本のサンプルを無作為に抽出した。測定の結果、標本の不偏分散は s² = 25.0 mm²(標本標準偏差 s = 5.0 mm)であった。この部品の母分散 σ² に対する95%信頼区間を求めなさい。ただし、下付き文字を上側確率とする記法を用い、自由度15のカイ二乗分布の上側97.5%点(下側累積確率2.5%点)は χ²_0.975(15) = 6.262、上側2.5%点(下側累積確率97.5%点)は χ²_0.025(15) = 27.488 とします。
与えられた条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 標本サイズ (n) | 16 |
| 標本不偏分散 (s²) | 25.0 mm² |
| 自由度 (ν = n - 1) | 15 |
| カイ二乗分布の下側2.5%点 χ²_0.975(15) | 6.262 |
| カイ二乗分布の上側2.5%点 χ²_0.025(15) | 27.488 |
解答・途中計算
偏差平方和 S の計算
不偏分散 s² に自由度 n - 1 を乗じることで、偏差平方和(Sum of Squares)を求めます。
カイ二乗統計量と信頼区間の関係式の構築
正規分布からの標本において、統計量 (n - 1)s² / σ² は自由度 n - 1 のカイ二乗分布に従います。確率 95% でこの統計量が下側2.5%点と上側2.5%点の間に入ります。
不等式の反転による母分散 σ² の上下限の算出
逆数を取ると不等号の向きが反転するため、信頼区間の下限にはカイ二乗分布の『上側臨界値』、上限には『下側臨界値』が分母に来ます。これにより 13.64 mm² ≤ σ² ≤ 59.88 mm² となります。
母標準偏差への換算と区間の解釈
正の範囲で平方根は単調増加なので、分散区間の両端の平方根が母標準偏差の95%信頼区間になります。同じ標本抽出と区間計算を繰り返したとき、作られる区間の95%が一定の母分散を含むという意味であり、この特定区間に母分散が入る確率が95%という意味ではありません。
最終結論
母分散 σ² に対する95%信頼区間は 13.64 mm² 〜 59.88 mm² (小数第1位まで丸めると 約13.6 mm² 〜 59.9 mm²)である。母標準偏差 σ の区間に換算すると 約3.69 mm 〜 7.74 mm となる。
誤答しやすい考え方
典型的な誤り:下限 59.88 mm², 上限 13.64 mm²(逆数を取るときに臨界値の位置を入れ替え忘れた場合)
理由・解説:不等式の逆数を取る際に不等号の向きを反転させ忘れる典型ミスです。上側2.5%点(27.488)で割ったものが下限、下側2.5%点(6.262)で割ったものが上限になります。
典型的な誤り:s² ± 1.96 * SE のように正規分布を用いて対称な区間を計算する誤り
理由・解説:母分散の標本分布はカイ二乗分布に従い、非対称です。正規分布のような左右対称の区間推定公式は適用できません。
典型的な誤り:偏差平方和の計算で n - 1 ではなく n を掛けてしまう誤り
理由・解説:標本分散ではなく不偏分散 s² を使用しているため、自由度 n - 1 = 15 を乗じる必要があります。
参照資料
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- 執筆・構成
- kuma / bearworks.uk(問題設計)
- 検算・内容確認
- Codex(原稿修正・独立検算・実装確認)、Luna(既存規約監査)
- 最終公開確認
- kuma / bearworks.uk
AIを使用した工程
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