幾何分布(初回成功までの試行回数と無記憶性)
問題文
ある情報セキュリティ監査において、ペネトレーションテスト(侵入テスト)を実施している。システムの特定の潜在的脆弱性を1回の攻撃試行で検知・突破できる確率を p = 0.20 とする。各回の試行は互いに独立であり、試行ごとに条件は変化しないものとする。 (1) ちょうど 4回目の試行で初めて突破に成功する確率を求めなさい。 (2) 初めて突破に成功するまでに必要な試行回数の期待値(平均回数)を求めなさい。
与えられた条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 1回の試行における成功確率 (p) | 0.20 |
| 1回の試行における失敗確率 (q = 1 - p) | 0.80 |
| 初回成功の試行回数 (k) | 4 |
解答・途中計算
幾何分布の確率関数の適用
最初の k - 1 回連続で失敗し、k 回目に初めて成功する確率です。試行順序が『失敗・失敗・…・失敗・成功』と一意に決まるため、二項係数(組み合わせ数)は乗じません。
4回目で初成功する確率の計算
3回連続で失敗する確率 (0.80)³ = 0.512 に、4回目に成功する確率 0.20 を乗じて 0.1024(約10.2%)となります。
初回成功までの試行回数の期待値の算出
幾何分布の期待値は成功確率の逆数 1/p で表されます。成功確率が 20%(1/5)であれば、平均して 5回の試行が必要となります。
幾何分布の無記憶性の解釈
例えばすでに3回連続で失敗したという条件のもとでも、あと何回で成功するかの確率分布は最初の状態と全く同じです。過去の失敗回数は将来の成功確率に一切影響を与えません(『そろそろ当たるはず』というギャンブラーの誤謬を否定する統計的根拠です)。
最終結論
(1) 4回目で初めて成功する確率は 0.1024(約10.2%)、(2) 初めて成功するまでの平均試行回数(期待値)は 5.0回 である。
誤答しやすい考え方
典型的な誤り:P(X = 4) = 0.4096, E(X) = 5.0
理由・解説:二項係数 4C1 = 4 を掛けてしまい、4回中1回成功する二項分布の確率 4 * (0.80)³ * 0.20 = 0.4096 と混同する典型的な誤りです。幾何分布では最後の4回目のみが成功と位置が固定されています。
典型的な誤り:P(X = 4) = 0.0819, E(X) = 5.0
理由・解説:(0.80)⁴ * 0.20 = 0.08192 と計算し、4回失敗して5回目に成功する確率と試行回数を1回分ずらしてしまう誤りです。
典型的な誤り:P(X = 4) = 0.1024, E(X) = 4.0
理由・解説:初成功までに『失敗する回数の期待値』 (1 - p)/p = 0.80 / 0.20 = 4.0回 と、成功した回を含む『全試行回数の期待値』 1/p = 5.0回 を混同する誤りです。
参照資料
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本サイトの例題はすべて架空のデータを元に独自に作成されたものです。出題意図や難易度調整の基準については問題作成方針をご確認ください。
問題作成方針を見る制作・検証情報
- 執筆・構成
- kuma / bearworks.uk(問題設計・テーマ指定)
- 検算・内容確認
- Antigravity(問題作成・独立検算・実装確認)、Codex(学術レビュー・実装監査)
- 最終公開確認
- kuma / bearworks.uk
AIを使用した工程
第4バッチ(問21〜25)は公式参考書・問題集の未出題重要論点(物価指数、チェビシェフの不等式、幾何分布、過誤と検出力、フィッシャーの3原則)に基づき、Antigravityが問題・与件・解説・誤答分析を独自に設計・作成し、PythonとSciPyで独立検算しました。Codexが統計学・表記・出典の整合性を読み取り専用で監査・レビューし、指摘事項の反映を確認しました。
人が確認した工程
運営者が公式テキスト・問題集に基づく未出題5問の構成案を確認し、独立検算・Codexレビュー指摘反映・Linux配信検証の結果を踏まえて、最終公開内容を承認しました。専門家による第三者査読ではありません。
更新・訂正履歴
- 初版第4バッチ5問をAntigravityが独自設計・実装・SciPy検算し、Codexレビュー指摘(出典URL・解説厳密化)を反映して運営者が公開内容を承認しました。
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