母分散既知における母平均の両側仮説検定
問題文
ある機械から生産される部品の長さは、標準偏差(母標準偏差)12mmの正規分布に従うことが分かっています。この機械の調整状況を確認するため、部品を36個無作為に抽出して測定したところ、標本平均は52mmでした。基準となる設定平均値である48mmから有意な変化があったと言えるか、有意水準5%で両側検定を行いなさい。
与えられた条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 母標準偏差 (σ) | 12 mm |
| 標本サイズ (n) | 36 |
| 標本平均 (x̄) | 52 mm |
| 基準平均値 (μ0) | 48 mm |
| 有意水準 (α) | 0.05 (両側) |
解答・途中計算
仮説の設定
「変化がない」とする帰無仮説と、「変化がある(異なる)」とする対立仮説を設定します。
検定統計量 z値の計算
標本平均の標準化を行い、検定統計量 z = 2.00 を算出します。
判定
z値が臨界値 1.96 を上回り、両側p値が有意水準 0.05 より小さいため、帰無仮説 H0 を棄却し、対立仮説 H1 を採択します。すなわち、「基準値48mmから有意な変化があった」と判断します。
最終結論
検定統計量 z = 2.00 であり、両側p値は約 0.0455 であるため、有意水準5%で帰無仮説は棄却され、「基準から有意な変化があった」と判断される。
誤答しやすい考え方
典型的な誤り:片側検定のp値(約0.0228)を用いて両側検定を判断する
理由・解説:問題文で「有意な変化があったか」と問われているため、増減の方向を限定しない「両側検定」を行います。片側p値のまま有意判定を記述することは誤りです。
典型的な誤り:この検定結果から、機械の摩耗が部品の長さを変化させた因果関係が証明されたとする主張
理由・解説:仮説検定は「差があることの統計的証拠」を示すものであり、差をもたらした具体的な原因や因果関係(機械の摩耗が原因であることなど)そのものを直接証明するものではありません。プロセス要因等の背景分析は別途必要です。
参照資料
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