2つの母分散の比のF検定(等分散性の検定)
問題文
2台の自動充填機(機械Aおよび機械B)で充填される液体の内容量のばらつき(母分散)が等しいかどうかを検証するため、それぞれから無作為抽出したサンプルの内容量を測定した。測定結果は以下の通りである。 ・機械A: 標本サイズ n_A = 10, 標本不偏分散 s_A^2 = 72.0 mL² ・機械B: 標本サイズ n_B = 16, 標本不偏分散 s_B^2 = 24.0 mL² 両機械の母集団は互いに独立な正規分布に従うものとする。帰無仮説 H_0: σ_A^2 = σ_B^2 に対し、有意水準5%で両側検定を行いなさい。ただし、自由度(9, 15)のF分布において、上側5%点は F_0.05(9, 15) = 2.59、上側2.5%点は F_0.025(9, 15) = 3.12 とします。
与えられた条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 機械A 標本サイズ (n_A) | 10 |
| 機械A 不偏分散 (s_A^2) | 72.0 mL² |
| 機械B 標本サイズ (n_B) | 16 |
| 機械B 不偏分散 (s_B^2) | 24.0 mL² |
| F分布の上側5%点 F_0.05(9, 15) | 2.59 |
| F分布の上側2.5%点 F_0.025(9, 15) | 3.12 |
解答・途中計算
自由度の特定
検定統計量を F = s_A^2 / s_B^2 と定義するため、分子は機械Aの自由度9、分母は機械Bの自由度15となります。分子と分母を交換すると、参照するF分布の自由度と棄却域も交換する必要があります。
検定統計量 F の算出
設問で定めた機械Aと機械Bの順に分散比を計算します。このデータでは機械Aの標本分散が大きいため、結果として F ≥ 1 になります。
両側検定における臨界値の選定と判定
有意水準 α = 0.05 の両側検定では両端に α/2 = 0.025 ずつ割り振ります。今回の F = 3.00 は1より大きいので上側2.5%点 3.12 と比較し、3.00 < 3.12 より帰無仮説を棄却しません(両側p値は約0.0584)。母分散が等しいと証明したのではなく、差があるとの十分な証拠を得られなかったという判断です。
最終結論
検定統計量は F = 3.00(自由度9, 15、両側p ≒ 0.0584)である。両側5%検定の上側臨界値 3.12 を下回るため帰無仮説を棄却せず、母分散に差があるとの十分な証拠は得られない。等分散であると証明した結論ではない。
誤答しやすい考え方
典型的な誤り:F = 3.00 であり、臨界値 2.59 を上回るため帰無仮説は棄却される
理由・解説:両側検定であるにもかかわらず、片側検定の臨界値 F_0.05(9, 15) = 2.59 を用いてしまう典型的な誤りです。両側検定では両端に α/2 ずつ配分するため上側2.5%点(3.12)と比較する必要があります。
典型的な誤り:自由度を (10, 16) として判定する誤り
理由・解説:サンプルサイズそのものを自由度と取り違える誤りです。自由度は各標本サイズから1を引いた (9, 15) となります。
典型的な誤り:母集団が正規分布に従っていなくてもF検定は頑健であるという誤解
理由・解説:F検定は母集団の正規性からの逸脱に敏感です。正規性が疑わしい場合は、より頑健なルビーン検定やブラウン・フォーサイス検定などを検討します。
参照資料
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問題作成方針を見る制作・検証情報
- 執筆・構成
- kuma / bearworks.uk(問題設計)
- 検算・内容確認
- Codex(原稿修正・独立検算・実装確認)、Luna(既存規約監査)
- 最終公開確認
- kuma / bearworks.uk
AIを使用した工程
第3バッチ(問16〜20)は2026-09-05に実装用原稿を受領しました。Codexが数式、前提条件、結論、誤答説明を点検・修正し、PythonとSciPyで独立検算しました。Lunaが既存問題・制作情報・ページ検証との整合性を読み取り専用で監査しました。
人が確認した工程
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