2つの母比率の差の検定(A/Bテストにおけるプールされた比率とz検定)
問題文
あるECサイトで、購入完了画面のデザイン改善効果を検証するためA/Bテストを実施した。利用者をデザインA・Bへ無作為に割り付け、各利用者は一方だけを閲覧し、購入結果は互いに独立とする。従来デザインAを訪問した利用者500名のうち40名が購入し、新デザインBを訪問した利用者500名のうち65名が購入した。 帰無仮説 H_0: 「新旧デザインの母購入比率は等しい(p_A = p_B)」、対立仮説 H_1: 「新旧デザインの母購入比率は異なる(p_A ≠ p_B)」として、有意水準 α = 0.05 の両側z検定を行う。 (1) 帰無仮説の下でのプールされた標本比率 p̂ を求めなさい。 (2) 検定統計量 z の値(小数第2位まで)を求め、有意水準5%における検定結果を判定しなさい。ただし、標準正規分布の両側5%点(上側2.5%点)の臨界値は z_0.025 = 1.96 とし、大標本による正規近似が成り立つものとする。
与えられた条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| デザインA 標本サイズ (n_A) | 500 |
| デザインA 購入者数 (x_A) | 40(標本比率 p̂_A = 0.080) |
| デザインB 標本サイズ (n_B) | 500 |
| デザインB 購入者数 (x_B) | 65(標本比率 p̂_B = 0.130) |
| 有意水準 (α) | 0.05(両側検定) |
| 正規分布の臨界値 (z_0.025) | 1.96 |
解答・途中計算
プールされた標本比率 p̂ の計算
帰無仮説 H_0: p_A = p_B の下では、両群は同一の共通母比率 p を持つと想定されるため、2群のデータを合算して最も精度の高い共通母比率の推定量(プールされた比率)を算出します。1 - p̂ = 0.895 となります。
標本比率の差の標準誤差 SE の計算
帰無仮説が正しい場合の標本比率の差 (p̂_B - p̂_A) の分散は p̂(1 - p̂)(1/n_A + 1/n_B) で与えられます。平方根をとると約0.01939となります。
検定統計量 z の算出と仮説検定の判定
算出した検定統計量 z = 2.58 は、両側検定の臨界値 1.96 を上回っています(|z| = 2.58 > 1.96)。p値は約0.0099(p < 0.01)であり、有意水準5%(さらには1%水準でも)において帰無仮説は棄却されます。したがって、新デザインBの購入比率は従来デザインAと有意に差がある(向上している)と判断されます。
最終結論
(1) プールされた標本比率は p̂ = 0.105、(2) 検定統計量は z ≒ 2.58 であり、臨界値 1.96 より大きいため有意水準5%で帰無仮説は棄却される(新旧デザインの購入率に有意な差が認められる)。
誤答しやすい考え方
典型的な誤り:p̂ = 0.105, z = 2.59(プールせず各群の比率で分散を別個に計算した場合)
理由・解説:各群の標本比率を個別に使った標準誤差 √(p̂_A(1-p̂_A)/n_A + p̂_B(1-p̂_B)/n_B) ≒ 0.01932 を用いた場合の計算値(z ≒ 2.59)です。これは母比率の差の信頼区間を構成する際の公式であり、帰無仮説 H_0: p_A = p_B の検定ではプールされた比率を用いるのが標準的な統計手順です。
典型的な誤り:p̂ = 0.105, z = 1.33(分母のサンプルサイズを足して n=1000 で割る誤り)
理由・解説:分散の計算で (1/n_A + 1/n_B) の代わりに 1/(n_A + n_B) = 1/1000 を用いてしまう典型的な誤りです。
典型的な誤り:p̂ = 0.210(各群の比率 0.08 + 0.13 を単純合計する誤り)
理由・解説:プール比率は加重平均(合算比率)であり、各群の比率を足し合わせるものではありません。
参照資料
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本サイトの例題はすべて架空のデータを元に独自に作成されたものです。出題意図や難易度調整の基準については問題作成方針をご確認ください。
問題作成方針を見る制作・検証情報
- 執筆・構成
- kuma / bearworks.uk(問題設計・テーマ指定)
- 検算・内容確認
- Antigravity(問題作成・独立検算・実装確認)、Codex(学術レビュー・実装監査【合格】)
- 最終公開確認
- kuma / bearworks.uk
AIを使用した工程
第5バッチ(問26〜30)は公式参考書・問題集の未出題重要論点(2つの母比率の差の検定、指数分布、時系列分析、二元配置分散分析、重回帰診断とダミー変数)に基づき、Antigravityが問題・与件・解説・誤答分析を独自に設計・作成し、PythonとSciPyで独立検算しました。Codexが統計学・表記・出典の整合性を読み取り専用で監査・レビューし、指摘事項の反映を確認しました。
人が確認した工程
運営者が公式テキスト・問題集に基づく未出題5問の構成案を承認し、独立検算・Codexレビュー【合格】・Linux CI合格を踏まえて、最終公開内容を承認しました。専門家による第三者査読ではありません。
更新・訂正履歴
- 初版第5バッチ5問をAntigravityが独自設計・実装・SciPy検算し、Codex監査レビュー【合格】を経て運営者が公開内容を承認しました。
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